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2016年 03月 11日

希望


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「希望」という字を習字の時間に書いたのは、中学や高校の時、
今から35年ぐらい前のことだ。
その時、果たして「希望」の意味がわかっていただろうか・・・
そう考えるようになったのは、2011年の東日本大震災の後からだと思う。

2010年の秋に日本へ行ったときの、眩しく美しい紅葉や黄葉が忘れられない。
乳がんの治療が終わって約1年経ったときに受けた検査で再検査が必要になり
その結果に問題がないとわかったとき、飛ぶように日本へ行ったのである。

その翌春に大震災が起きた。
ちょうど健康を回復しつつある時期に起きた震災と自分の病気や闘病のことを
重ねずにはいられなかった。

先がどうなるかわからないときは、とにかくその日その日にできることをするだけだ。
治療のために、できることが限られていたとき毎日口にしていた言葉は
「もうちょっとだけ頑張ってみようかな」「ちょっとだけ頑張ろう」というものだった。

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おそらく、震災の地で暮らしてる方々も、5年前、そして今も
そういう思いで日々を過ごしてる方が多いのではないかと思う。

希望というものがなんであるか
それは人それぞれであると思うけれど
一日にひとつでもふたつでも小さな幸せを感じることがあれば
そこから小さな希望が生まれていくのだと、私の小さな経験から感じている。

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そして、小さな幸せが何かということも、また人それぞれで
おいしいなと思うものが食べられることかもしれないし
誰かとにこっと笑いあえることかもしれないし
青い空を見ることかもしれない。

希望は、
その字を習字の時間で書いていたときも今も、漠然としたものではあるけれど
今は、それが大事なことと、自分にとって何が幸せなことかは、はっきりしている。

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今は、日本もフランスも世界も、先がとても明るいとはいえない状況にあるといえると思う。
そんなときに必要なのは
現実逃避やうそや幻想ではなくて、知恵を出し合っていくことではないかとつくづく思う。

年配の人は、今まで経験したことの中から得てきた知恵を
若い人は、知らないからこそ感じる疑問や、若いからこそ考えられるアイデアや
そういうことをどうにか結集して、どこかに道を見出していかなくちゃ。

FUKUSHIMAという地名は
東京に次いでフランス人が知っている日本の地名になっていると感じる。
フランス人の友人たちは、必ずと言っていいほど、電話などで話しをするときに
福島はどうかと、心配して聞いてくれる。
国ごとだけではなく、世界で知恵を出していく、そういうことも始まっていると思う。

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5年前の3月11日が命日になった方々
さらには、71年前の東京大空襲の日が命日になった人たちが
今日は天上で大きな会議を開いてくれているといいな。

そして、地上にいる人たちにはなかなか見えない全体的なこと
何が大事なのかということ
そういうことを私たちに知らせてくれるといい。

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被災地で苦労の多い生活をしている方々が、少しでも幸せを感じるときが多くあるように
また、福島の原発処理のために命がけで働いている方々に思いを馳せながら
人々の知恵が形となっていくことに、私も力となれるように

そういう思いがこみ上げてくる5年目の3月11日である。

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by echaloterre | 2016-03-11 21:46 | 書いておきたいこと・社会
2015年 05月 30日

<福島の今>④ スーパーひたち - 日常が止まった瞬間 


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福島県双葉郡楢葉町にある常磐線の竜田駅
そこからは、北へ向かう列車も北から来る列車もない。

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駅構内の中継信号機にはバツが取り付けられ、北方向の信号は「赤」のままだ。

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<JR東日本水戸支社HPより転載>



あの日、この竜田駅を通り北へ向かって走り、また上野に向かって戻ってくるはずだった特急列車スーパーひたちの車両は、その日2011年3月11日から原ノ町駅に、ずっと止まっている。

5月4日にこの車両を現地で見てきた友人が、当日のこの電車の動きを細かく調べてくれた。


10:00 「スーパーひたち15号」として11両で上野を出発
       後7両が「いわき止まり」、前4両が「原ノ町行き」

12:10  いわき駅到着、前4両が原ノ町へ向かう。

13:09  定刻通りに原ノ町に到着。

       折り返し15:09発「スーパーひたち50号上野行き」の発車準備をすべく、行き先表示を「スーパーひたち 上野」に変えた。

14:46  東日本大震災発生


再び上野に向かうために、発車準備をしている最中に大震災の瞬間を迎えたのだ。
そして、その瞬間から、このスーパーひたちは、原ノ町に止まったままになった。


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5月30日、宮城県仙台市のあおば通駅から仙台駅を経由し宮城県石巻市の石巻駅を結ぶ
仙石線(せんせきせん)が4年2か月ぶりに全線で運転再開になったそうだ。
津波の影響で不通になっていた区間が復旧したのだ。
利用する人たち、地域の人たち、みんなにとって非常に嬉しい日だったことだろう。

常磐線の不通区間は、原発事故の影響で復旧ができないままになってるわけだが
「いつか「緑」になって列車が走る日が来ますように」と思った友人同様、
きちんと問題を解決できた折に輝く緑の信号が見られるのを願う。

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東京に住む友人が、その目で見てきた福島の様子を記録しています。
以前の記事も、どうぞ読んでください。

<福島の今>③ あの日のままの特急列車 - 原ノ町駅 2015年5月4日

<福島の今>② 竜田駅~原ノ町駅間代行バス 2015年5月4日

<福島の今>① 南相馬の一本松 2015年5月3日
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by echaloterre | 2015-05-30 12:43 | 書いておきたいこと・社会
2015年 05月 11日

<福島の今>③ あの日のままの特急列車 - 原ノ町駅 2015年5月4日


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原ノ町駅には、2011年3月11日からずっと止まっている車両がある。
上野行きの特急列車スーパーひたちだ。

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上野に向かうはずが、原ノ町駅に止まったまま4年が過ぎた。

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原ノ町駅は、福島県南相馬市原町区にある常磐線の駅で、南相馬市の代表駅。

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その原ノ町から、上野方面の竜田駅までの間は、原発事故の影響で列車は不通になっている。
また、原ノ町から仙台方面へは、鹿島、日立木、相馬までの折り返し運転になっているので、どちらの方向へも行けない。
また、解体することも費用の面や放射線の問題でそう簡単にはいかないようだ。

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パンタグラフも閉じたまま

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お客さんを乗せることもなく

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この場にい続ける車両。

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現場でこの写真を撮った友人は、「スーパーひたちの水垢が"黒い雨"に見えてしょうがない」と言っていた。

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列車が、その役割を果たさずに朽ちていく。


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私の住む町からは、パリ方面へも

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リヨン方面へも、それほど多くの列車は走っていない。
時折、シリアルを運ぶ長い貨物列車が通ることもある。

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本数が少なくても、他の町へ向かう列車が走ってるということで
繋がっている安心感のようなものが生まれるような気がする。

鉄道は、その地に住む人にとって大事なものであると改めて感じるとともに
福島の人たちの気持ちを想像する。



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東京に住む友人が、その目で見てきた福島の様子を記録しています。
以前の記事も、どうぞ読んでください。

<福島の今>② 竜田駅~原ノ町駅間代行バス 2015年5月4日

<福島の今>① 南相馬の一本松 2015年5月3日
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by echaloterre | 2015-05-11 20:36 | 書いておきたいこと・社会
2015年 05月 07日

<福島の今>② 竜田駅~原ノ町駅間代行バス 2015年5月4日


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竜田駅は、福島県双葉郡楢葉町にある常磐線の駅。

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そこから仙台方面へ向かって9つ先の駅が原ノ町駅。
この間は、原発事故の影響で列車は不通になっている。

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現在、東京方面からの常磐線の北限となっているのが竜田駅というわけだ。階段通路は塞がれ、線路を遮って仮設通路が作られている。

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その不通になっている区間に、今年の1月から代行バスが走り始めたそうだ。

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1日2往復で途中下車はできないけれど、ようやく繋がったことになる。

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友人が車窓から見た風景に、人影はない。

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除染した土の入った黒い袋や、青いビニールシートが風景の中で目立つ。

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「先は長いけど、いつの日か人々の声や商店の賑わいが戻りますように」

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現地へ行った友人は、心からそう思ったようだ。
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by echaloterre | 2015-05-07 22:22 | 書いておきたいこと・社会
2015年 05月 05日

<福島の今>① 南相馬の一本松 2015年5月3日


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ニュースや人伝ではわからない福島の今。
東京に住む友人が、5月3日、実際に現地に行って撮ってきた写真を送ってくれました。


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南相馬の話はニュースの中などにたくさん出てきたけれど、知人で現地に行った人は誰もいなかった。
南相馬の鹿島区の海岸にも、大津波に耐えて残った松があったのだな。

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この地区に住んでいた人たちにとっては、心のよりどころとなる木だろう。

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後ろに並ぶテトラポットや黒い袋(土嚢かな)が、水の怖さを思い出させてくれる。



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フランスや日本の社会について思うことを、記録として残しておきたいと以前から思っていました。
特に、今年の初めのパリのシャルリ・エブド事件以降、そういう思いが強くなりました。

しかし、読みたい記事や本は増えていくばかり。
いろいろ知りたいこと、理解したいことが次々に出てくるので、ひとつのことを自分なりに咀嚼するには時間がかかり、その時に思ったこと、感じたことから、どんどん遠くなってしまう。

そう思っているときに、ぶつぎりでも、消化不良でも、とにかく書いておかなくちゃと目が覚める思いにさせてくれたのが今回の友人の福島への旅です。

しばらく、友人が撮ってきてくれた福島の今の写真を載せていこうと思います。
友人も、たくさんの方に見ていただきたいと願っています。
時系列が前後することもありますが、ぜひ福島の現実を見てください。
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by echaloterre | 2015-05-05 22:22 | 書いておきたいこと・社会